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ミステリーや映画、パソコンなど趣味の話題を書きつらねています。最近はもっぱら映画の感想、そしてデジカメやパソコンなどデジタル機器に集中しがち。アジア関連の話題は別ブログ「萌えるアジア」に書いています。
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西村京太郎「赤い帆船」
今ではもっぱら鉄道ミステリーばかり書いている西村京太郎だが、初期には1作1作趣向を凝らしたさまざまなタイプのミステリーを書いている。
今回読んだ作品は、光文社文庫から新装版で出た「赤い帆船(クルーザー)」。これが十津川警部(本書ではまだ警部補だが)が登場する初長編。鉄道ではなくヨットの世界を舞台とした海洋ミステリーだ。
冒頭、ヨットで単独無寄港世界一周に成功して一躍英雄になった内田洋一が交通事故死。ところがその遺体から毒物が検出され、殺人の疑いが濃厚になる。

冒頭のツカミからおもしろく、とくにヨットに興味もなかったがヨットの世界を垣間見る海洋小説としても楽しく読めた。
内田を殺した容疑者のほうは作品中盤で一人に絞り込まれるのだが、彼には殺人があった時間に東京ータヒチ間のヨットレースに参加しているという鉄壁のアリバイがある。十津川警部補もさんざん悩まされるが、なんとかアリバイトリックを見破る。
ところが、十津川警部補がたどりついたアリバイトリックが犯人が仕掛けた見せかけのトリックであり、犯人がさらにその上を行くトリックを用意していたり、殺された内田は内田である企みをしていたりと、最後の最後まで楽しめる。
作中、松本清張の「火と汐」という作品がある役割を担って登場する(必然的に「火と汐」のネタバレをしてしまっている)。先行作品を示した上で、このトリックはその上を行くものだという作者の自信のほどがうかがえる。

これは、これまで読んだ西村京太郎作品の中でも一、二を争うおもしろさ。今までこんな名作を読んでいなかったとは不覚。

ところで、この作品が書かれたのが1973年。堀江謙一が単独無寄港世界一周を試みて失敗したのがこの前年の1972年(作中ではK・Hとしてこのことに触れている)。堀江謙一が再度、単独無寄港世界一周にチャレンジし成功したのが本書が書かれた翌年の1974年のことだ。
作中で単独無寄港世界一周に成功したとされる内田は実はひそかに港に立ち寄っていたことが後に暴露されるが、堀江謙一の単独無寄港世界一周にも疑惑があるようですね。
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