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ミステリーや映画、パソコンなど趣味の話題を書きつらねています。最近はもっぱら映画の感想、そしてデジカメやパソコンなどデジタル機器に集中しがち。アジア関連の話題は別ブログ「萌えるアジア」に書いています。
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「帝国の死角」高木彬光の隠れベストワン!?
今回は神津恭介ものを離れ、「帝国の死角」を読んでみた。
上下巻と大部な上、タイトルからして「白昼の死角」の二番煎じかとこれまで読むのを敬遠していたが、読んでびっくり、これ、ある意味、高木彬光の全作品の中でもベストワンでは。
作品は上下2巻に分かれ、上巻では、第二次大戦勃発直前、密命を帯びてドイツに赴任した海軍少将・鈴木高徳の6年間にわたる手記を作者が手に入れ、原文をわかりやすく書きなおして紹介している。なんとこれに上巻まるまる全部費やしている。
内容は第二次大戦直前、そして戦争真っ最中の情勢がまさにその渦中にいる人物の視点で描かれ、興味深く読んだのだが、ここまでミステリー的要素はほぼ皆無。

下巻ではそれから二十数年後の昭和44年に舞台が移る。鈴木高徳の息子、鈴木二郎は大鳳社という出版社に勤めていたのだが、八光教という新興宗教が新しく始めるという出版事業のため、破格の条件で引き抜かれる。…とここでようやくミステリーらしくなってくるのだが、本当の驚愕は事件がすべて解決したあとのエピローグにもちこされる。というか、本文すべて、このエピローグを描きたいがための長~いフリ。高木彬光、こんな叙述トリック作品を書いていたとは。

実は、上巻の本文を読み終えたあと、うっかり上巻の解説を読み出したら、大技のトリック云々という文章が目に入ってしまったため、下巻の途中でこういう仕掛けかなと気づいたのだが、これを知らず素直に読んでいたらさらに驚愕度が増したはず。


初刊時には、上巻は「天皇の密使」がメインタイトルで、「帝国の死角 第一部」はサブタイトルしてごく小さく書かれていたもよう。たしかにこれだけでも独立して読めはするが、当時これだけ読んだ人はどう思っただろう。下巻も同じく「神々の黄昏」がメインタイトルで「帝国の死角 第二部」とごく小さく書かれていた。うっかり下巻だけ買ってしまった人はさっぱりわけがわからなかっただろう。

 
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