yuブログ
ミステリーや映画、パソコンなど趣味の話題を書きつらねています。最近はもっぱら映画の感想、そしてデジカメやパソコンなどデジタル機器に集中しがち。アジア関連の話題は別ブログ「萌えるアジア」に書いています。
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島田荘司「写楽 閉じた国の幻」
島田荘司が写楽の謎に迫った渾身のミステリー。
浮世絵の世界に彗星のごとく現れ、10カ月だけ活躍して忽然と消えた東洲斎写楽とはいったい何者だったのか?

物語中では、ある浮世絵研究家が、偶然謎の肉筆画を手にしたことから写楽の謎を追うことになるのだが、この男の暮らしぶりがダメ人間そのもの。逆玉で結婚したはいいが女房とはうまくいかず、大学の講師から学芸員、そして今は塾の経営者に。子供を六本木に連れていったものの車の駐車に手間取っているうちに子供が駈け出していってしまい、ビルの回転ドアに頭を挟まれて死亡。と絵に描いたような駄目っぷり。思わず自殺しかけたところを美人の大学教授に助けられ、この教授のサポートもあって写楽の謎に迫っていくことになる。

読んだかぎりでは、写楽の正体については非常に説得力のあるものになっていると思うのだが、どうだろう。事故を起こした回転ドアの構造が、写楽の謎に迫る伏線になっていたりするのもよくできている。が一方、島田荘司くらいの筆力があれば、よっぽど無茶な説でなければ納得させられてしまうような気もするし。

しかしこの小説、もし新人が書いて編集者にもっていったら絶対に書き直しを命じられただろう。いちおう話としては完結している体裁なのに、そもそもの発端となった謎の肉筆画については何の進展もなくほっぽりぱなしだし、子供の回転ドア事故の裁判の行方も書かれていない。というか、かろうじて物語中で写楽の謎に決着をつけたところで精一杯という感じ。

とはいえ、小説としての完成を待っていたらこの後何年も、もしかしたら永久に世に出なかった可能性もある。勝手にこれはバージョン0.5版の小説なのだと受け取っておこう。

 
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