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ミステリーや映画、パソコンなど趣味の話題を書きつらねています。最近はもっぱら映画の感想、そしてデジカメやパソコンなどデジタル機器に集中しがち。アジア関連の話題は別ブログ「萌えるアジア」に書いています。
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「レイプゾンビ」
先日DVDで観た映画「STACY」。監督の友松直之の経歴を調べたところ、2001年の「STACY」以降もことあるごとにゾンビ映画やゾンビものオリジナルビデオを作り続けている。「ゾンビ自衛隊」「吸血少女対少女フランケン」「君はゾンビに恋してる」……と題名を見ただけでもクラクラしてくる。このまったくブレない姿勢は立派。

今日はその中でも近作「レイプゾンビ LUST OF THE DEAD」を鑑賞した。
男たちが突如ゾンビ化し、女を襲う事件が各地で発生。不死身のレイプゾンビとなった男たちは女たちに襲いかかり、犯された女たちは確実に死にいたる。レイプゾンビの襲撃から逃れ、神社の中にたてこもった4人の女性の運命は?
とこれだけでも大変なのに、北朝鮮からの核ミサイルが東京に打ち込まれる。という悲惨なストーリー。
この4人の女性の名前が、のぞみ、かなえ、たまえ、ももこ。ここにも大槻ケンヂの影響が、と思わずにやっとしてしまったのだが、本当はどうなのだろう?

4月、5月と続けて「レイプゾンビ2」「同3」が発売予定。今度は核爆発後の東京にアキバ帝国ができるらしい。

    
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西村京太郎「消えた乗組員(クルー)」
遭難が伝えられていた大型クルーザー「アベンジャーII世号」が小笠原沖で発見された。船には9名が乗っているはずだったが、船内は無人で乱れた様子もなく、船室には朝食が用意されたままになっていた。
と、超常現象についてちょっとでも関心のある人なら誰でも知っている超有名な消失事件「マリー・セレスト号」事件に酷似した状況。
そして、アベンジャーII世号をみつけた「シャークI世号」の6人の乗組員が次々と殺されていく。
これはシビレル展開。「アベンジャーII世号」事件の謎を解明し、間接的にはマリー・セレスト号の謎にも迫ろうという意欲的な作品だ。
本作では十津川警部たちの捜査と並行して、海難審判のもようも描かれ、作品にふくらみをもたせている。この海難審判の中でもアベンジャーII世号事件についての推論がいくつも出されては否定されている。
初刊は1976年。十津川シリーズ第3作。本作では警部補から警部になっている。


(3/30追記)
気になったので、「マリー・セレスト号」について調べたところ、実際に事故を起こした船はメアリー・セレスト(Mary Celeste)号。たしかに船が発見されたところ、中は無人だったが食事の用意がされていたなどということはなく、おまけに救命ボートがなくなっていた。原因は不明ながら船上で何らかのトラブルがあり救命ボートで脱出したものの遭難したという事故のようだ。これをコナン・ドイルが小説にした際、船名をマリー・セレスト(Marie Celeste)号とし、実際の事故をもとに、発見されたとき茶はまだ温かく、朝食も調理中だったなどの創作を加えたのがあたかも事実のように広まったようだ。
    
西村京太郎「消えたタンカー」
インド洋上で火災を起こし、沈没した巨大タンカー。辛くも脱出し救出された6名の乗組員。しかし乗組員は一人また一人と殺されていく。あれ? サスペンスとしてはおもしろいけど、タンカーは沈没しただけで、別に消えたわけじゃないじゃん。これでは看板に偽りありだな、と思いながら読んでいたら、最後にどんでん返しがあり納得。
今作の十津川警部補も、長野、沖縄、はては南アフリカ共和国まで行く大活躍。
初刊は1975年。「赤い帆船」に続く十津川シリーズ第2作。

    
西村京太郎「消えた巨人軍」
西村京太郎作品を続けて読んでいるが、リーダビリティが高いのであっという間に読み終わってしまう。買うのが追いつかない~。
今回読んだのは、1976年に書かれた「消えた巨人軍」。先日の「消えたなでしこ」のルーツのような作品だ。
こちらはタイトルどおり、ジャイアンツの監督をはじめメンバー全員が消えてしまう(長嶋監督、王、張本、堀内といった懐かしい選手陣)。東京から新幹線に乗って大阪へ移動中にいつのまにかいなくなってしまうのだ。「消えたなでしこ」とは違い、犯人の誘拐計画はかなり用意周到。これなら納得もいく。まぁ中にはこんなうまくはいかないだろうというところもあるが。
一方、誘拐されたジャイアンツのメンバーと犯人を探す球団、警察、左文字探偵の描写もよい。試合開始までのタイムリミットがサスペンスを盛り上げるのに役立っている。
やはりこのころの西村京太郎作品はおもしろい。

    
大槻ケンヂ「ステーシーズ 少女再殺全談」
先日、映画版の「STACY」、ハロプロ舞台版の「ステーシーズ 少女再殺歌劇」をDVDで観たのち、原作を読み返してみた。現在出ているのは角川文庫の「ステーシーズ 少女再殺全談」。以前、単行本、角川ホラー文庫で出ていた「ステーシー」に番外編2編を加えたもの。書店4軒を回ったが置いてなく、Amazonで古本を注文して入手(もっとも、そのあと近所のブックオフに行ったら105円で売っていた)。

いやぁ、忘れているもんですね。単行本で読み、9年前に月蝕歌劇団の舞台「ステーシー」を観たあと読み返しているので、小説の概略は覚えているつもりだったが、終章で出てくるハム恵が目が3つあったりと、畸形で超能力をもった少女たちが出てくるのはすっかり忘れていた。
さすがにここはハロプロ版はもちろん、原作を比較的忠実に映像化している映画版でも、描写していなかった。というかハム恵は出てくるけどステーシー化直前の通常の人間だった。

初めて読んだ外伝「ゾンビ・リバー」もめちゃくちゃ。津波となって押し寄せるステーシーとは! これはぜひ映像で観てみたい。

    
「リング・リング・リング」
先日、TSUTAYAのビデオテープワゴンで「リング・リング・リング」ビデオレンタル落ちパッケージを発見して購入。つかこうへい原作、長与千種主演の女子プロレス映画でビデオパッケージとしては発売されたもののその後DVD化はされておらず、私としてもずっと未見だった作品。
早速家のビデオデッキに10年ぶりぐらいに電源を入れてみると……中に入れっぱなしだったテープがいくら操作しても出てこない。うわぁ、故障していたとは。
仕方ないのでAmazonで中古のビデオデッキ Victor VHS Hi-Fiビデオ [HR-B13] というのを1万円ほどで購入。とんだ高価な買い物になってしまった。

さてこの映画が制作されたのは1993年。このとき長与千種はもう引退して何年もたっているが、この「リング・リング・リング」の舞台、そして映画への出演がきっかけとなってその後女子プロレスに復帰している。映画には当時の全日本女子プロレスが全面協力しており、試合シーンではブル中野、アジャ・コングを始め当時の主力選手が多数登場している。女子プロレスファンとしてはこれだけでもうれしいところ……ではあるのだが、肝心のストーリーがイマイチ。長与千種は役名も長与千種のまま。長与の身代わりとなって刑務所に入った水島コーチの指導のもと、無敗のチャンピオン・デビル奈緒美(島田陽子)からベルトを奪って女子プロレスを世間から後ろ指さされない「真のストロングスタイルの女子プロレス」実現をめざすというもの。
原作のつかこうへいの女子プロレス観が古臭く、また女子プロレスに対しての理解が乏しいため、いまいち納得のできない物語になっている。だいたい、チャンピオンをデビルと名付けるのもどうかと思う(デビル雅美の存在を知らなかったのか?)し、チャンピオンが長与の幼少時から十数年間ずっとベルトを保持し続けているのも無理がありすぎ。

しかし、特筆すべきは長与千種の演技力。これ以前にも以後にも女子プロレスラーが出演した映画はけっこうあるが、その中では長与の演技力はずば抜けている。さすがクラッシュギャルズで少女たちを熱狂させただけのことはある。

 
    
西村京太郎「消えたなでしこ」
このところ、西村京太郎の比較的初期の作品を読んでいるが、では最近の作品は?
近年になっても量産体制はまったく衰えず、月に1冊強の作品を出している西村京太郎だけに、どの一冊を読むかを選ぶだけでも大変だが、今回はその中で、今年2月に発刊された「消えたなでしこ」を選んだ。
女子サッカー日本代表なでしこジャパンのメンバー22人が誘拐され、難を逃れた澤穂希と十津川警部が協力して事件の解決に当たるというもの。

いやぁしかしこれは、中身スカスカですね。なでしこメンバーをまとめて誘拐するという難事業がいとも簡単に成功してしまうというのもすごいし、100億円の身代金を要求してきた犯人に対し、十分な食事と練習、日焼け止めや化粧水、乳液の用意を逆要求する十津川警部もすごい。もっとすごいのが犯人がそれをあっさりと承諾すること。そんなことしてるからあっさりと警察に人質の監禁場所を特定されてしまう。
まぁこんな杜撰な誘拐ではすぐバレてしまうのも無理はないが。
いちおう最後にひとひねりあるが、ミステリー濃度はごく薄い。

いちばんのサプライズは、澤穂希はじめなでしこメンバーや佐々木監督が実名で登場するのに、ロンドンオリンピックの女子サッカーの結果が現実と異なっていること。これを数年後に読んだ人は、現実にロンドンオリンピックでなでしこジャパンが金メダルを獲ったものと勘違いしそうだ。

    
西村京太郎「超特急「つばめ号」殺人事件」
西村京太郎の鉄道ミステリー。タイトルは平凡だが内容は現在の事件と43年前の事件が重奏して描かれるという凝った構成。
昭和15年、特急「燕」十周年を記念した列車が運行され、その招待客と陸軍の若手将校の間でトラブルが起こる。
そして43年後、イベント列車「つばめ」 43年前の記念列車の招待客やその身内の者が招待されたが、そこで殺人事件が発生する。

警視庁に届いた匿名の手紙の差出人がいとも簡単に見つけ出せたりとか、昭和15年の燕で起きた事件の真相を知っている国鉄職員が電話一発で簡単にみつかったりと、ご都合主義なところも多々見受けられるが、戦前の空気や、「燕」の詳細な描写を通して「燕」への愛が感じられ、単なる鉄道ミステリーとは一線を画したものとなっている。
初刊は1983年。
    
「STACY ステーシー」
昨日に続き、今日も「ステーシー」をDVDで鑑賞。今日観たのは、2001年につくられた劇場版。劇場公開時、公開館もごく限られ、ビデオ、DVDも発売されはしたもののあまり話題にもならず、レンタル店にもほとんど置かれていなかったため、これまで観ずじまいだった作品。今回、Amazonで中古DVDをかなり高額で購入して鑑賞した。
こちらは、舞台とは違い、原作のホラーテイストをかなり忠実に再現している。特殊メイクを使い、少女たちがいったん死んだあとステーシーとして蘇ったあと、ロメロ再殺部隊に惨殺されたりといったところもきっちりと描写している。

しかしこのステーシー現象、世界規模のはずなのになんともスケールが小さい。描かれている場所も局地的だし、出てくる人間もごく少数。舞台では気にならないところも映画となると途端に気になりだす。
特殊メイクはなかなかよくやっているとは思うが、全体的にはよくできた自主制作映画の雰囲気。

いちばんの見所は、主演・加藤夏希のかわいさ。出演当時15歳? このかわいさはただごとではない。なお、原作の大槻ケンヂもちょこっと出演している。

    
「ステーシーズ 少女再殺歌劇」
大槻ケンヂの「ステーシー」のことが気になって、ググってみたら、昨年ハロプロの劇団プロジェクトで行われた舞台がDVDになっていた。早速注文して鑑賞。
これ、去年の6月に行われたものなのだが、気づいたときにはすでに全日程全席ソールドアウトになっていて行けなかった。できれば生で観たかったなぁ。再演とかしないかな。

大槻ケンヂの小説「ステーシー」は、世界中の15歳から17歳までの少女が原因不明を死を遂げ、人間を襲う屍体となって蘇るというもの。彼女たちを再殺するには、屍体を165以上の断片にしなければならない……って、そのまま映像化しようとしたらとんでもなくグロいものになる。実は2001年に映画もつくられている(未見。これも注文済みなのですぐ鑑賞予定)し、数年前には月蝕歌劇団によって舞台化もされている(と思って今調べたら月蝕歌劇団による舞台は2004年だった。もう9年前か……時がたつのは早いな)。
舞台の場合は逆に必ずしも描写にリアリティを出す必要はないので、映画よりむしろ舞台向きといえる。月蝕歌劇団のときも、ステーシーと化した少女たちのゾンビ的な動きとあったものの、首がもげたり内蔵が溢れだしたりというグロい演出はなかった。

今回はなんせモーニング娘。が主演。予想通りグロい演出はなく、月蝕歌劇団版を参考にしたのかはわからないが、かなり近いテーストを感じた。とくにゾンビ的な動きを取り入れたダンスは、まさに月蝕歌劇団の暗黒舞踏そのもの。
原作のほうはかなり前に読んだきりなので記憶が定かでないが、思い出すかぎりではかなり原作に近いストーリー展開。すぐわかる違いは、演劇ではステーシー化する年齢が14~16歳になっていたことぐらい。これは出演するモーニング娘。のメンバーの実年齢の合わせたのかな? 基本的な設定は踏襲しつつも再殺シーンはセリフやイメージ的な動きで処理。一方随所に歌やダンスが入る。中で1曲だけ筋肉少女帯の曲「再殺部隊」が歌われるが、これがまた印象深い。
私はとりたててモーニング娘。のファンというわけではない(というか現メンバーをちゃんと見たのはこれが初めてかも。一人、やけにぽっちゃりな子がいるのも初めて知った)が十分満足できる出来。DVDでこれだけ楽しめたのだから、生で観たらこの数倍よかったんだろうなぁ。

    
西村京太郎「夜間飛行(ムーンライト)殺人事件」
西村京太郎「赤い帆船」に続き、「夜間飛行(ムーンライト)殺人事件」を読んでみた。
1979年に書かれた長編。それまで独身を貫いてきた十津川警部が、この作品の中で40歳にして結婚するという、十津川警部シリーズの中でも重要な作品。
また、十津川警部シリーズではあるが、鉄道ミステリーではなく、飛行機を題材とした空のミステリーとなっているところもポイント。「赤い帆船」の解説によると、西村京太郎は「赤い帆船」「寝台特急殺人事件」「夜間飛行殺人事件」で陸海空のトラベル・ミステリー三部作を構想していたという。実際にはこのあと、「陸」だけ突出して鉄道ミステリーが延々と書き続けられるわけだが。

読む前の勝手な印象としては、飛行機の中で殺人事件が起きるか、あるいは殺人事件が起きたときに容疑者は飛行機に乗っていて鉄壁のトリックがあるとかいう話かと思っていたが、実際に読んでみると予想を大きく上回っていた。
十津川警部と直子が結婚式をあげたあと、羽田から千歳へ、通称ムーンライトと呼ばれる夜間飛行便で新婚旅行に出かける。このとき同機に乗り合わせていた新婚カップルを含め、3組の新婚カップルが次々と行方不明になる。十津川警部は、北海道警察の要請で操作に協力することになる。
この消えた3組のカップルだが、3組とも自ら失踪する気配はまったくなかった。死体が発見されるわけでもなく、かといって誘拐犯からの連絡があるわけでもない。
終盤になって明かされる意外な真相。これこそ〝社会派ミステリー〟。

近年の量産された鉄道ミステリーを除いて比較的初期の作品にかぎってまだまだ未読の西村京太郎作品があるので、続けて読んでみよう。

    
松本清張「火と汐」
先日読んだ西村京太郎「赤い帆船」で言及されていた松本清張「火と汐」を読んでみた。
表題作の中編「火と汐」を含む全4編を収録。
「火と汐」は、せっかくヨットを使ったアリバイトリックという斬新なものなのに、まったく斬新さが感じられない。松本清張作品によく見られる、不倫した妻を夫が殺すという後ろ暗いストーリーのほうがメインになっている。
「赤い帆船」と読み比べると明白だが、ヨットへの愛が感じられその記述にも力が入っている「赤い帆船」とくらべ、この「火と汐」のほうはヨットがアリバイトリックのための道具として書かれているだけというように感じる。
最後、犯人が自殺して遺書で犯行を告白するという結末もイマイチ。
なお、この作品、松本清張生誕100周年記念ドラマとしてドラマ化されていた。近いうちに観てみよう。

あとの作品のうち、「証言の森」「種族同盟」はどちらも冤罪絡みの話。松本清張らしいアイロニーがきいている。

    
伯方雪日「ガチ! 少女と椿とベアナックル」
伯方雪日はデビュー作「誰もわたしを倒せない」もプロレス界を舞台としたミステリーだったが、今回の作品もモロにプロレスを題材にしたミステリー。

プロレスを題材にしたフィクションというのが難しい。というのはプロレス自体が半ばフィクションなので、それを題材にしたフィクションを書こうとすると、すでにできあがった料理をまた別の調理法で料理し直すみたいな感じになり、下手するととんでもないものになってしまう可能性がある。
さらにプロレスが難しいのは、映画や演劇のように始めからフィクションであるというのが自明のものでなく、リアルとフィクションの間を揺れ動いているものであること。このスタンスをどうとるかが大きな問題になってくる。

とはいえ、20年前ならいざ知らず、ミスター高橋の暴露本が世に出たりWWEがカミングアウトした今となってはプロレスをリアルなスポーツ、真剣勝負として描くのはほぼ不可能。本書も、プロレスはフィクションであるという前提で書かれている。

レスリング・ヴォルケイノという団体の万年前座だったレスラーの不可解の死亡事故と、少女連続殺人事件。
当初無関係と思われた2つの出来事が徐々に結びついていく。
急死したレスラーの娘・つくしとヴェルケイノの若手レスラー・吉野が謎を解いていく。

偶然が重なりすぎだろうとか、こんな方法で麻薬を密輸なんて、あっという間にみつかるだろうとか、ミステリーとしてはツッコミどころも多いが、なんといっても本作の魅力はプロレスの描写のリアリティ。もちろん、プロレスの世界の外部にいるものとしては、ここに書かれているプロレス界が本当にそうなのかはわからないが、読んでみてのリアリティはかなり高い。

さて、このほかにプロレスを題材にしたミステリーってどんなのがあったかと調べてみた。
前述の「誰もわたしを倒せない」(伯方雪日)
「マッチメイク」(不知火京介)
「ファイヤーボールブルース」(桐生夏生)
この3作は既読だったが、あと一作
「ポリスマン」(永瀬隼介)という作品があった。これは知らなかった。早速読んでみよう。
    
西村京太郎「赤い帆船」
今ではもっぱら鉄道ミステリーばかり書いている西村京太郎だが、初期には1作1作趣向を凝らしたさまざまなタイプのミステリーを書いている。
今回読んだ作品は、光文社文庫から新装版で出た「赤い帆船(クルーザー)」。これが十津川警部(本書ではまだ警部補だが)が登場する初長編。鉄道ではなくヨットの世界を舞台とした海洋ミステリーだ。
冒頭、ヨットで単独無寄港世界一周に成功して一躍英雄になった内田洋一が交通事故死。ところがその遺体から毒物が検出され、殺人の疑いが濃厚になる。

冒頭のツカミからおもしろく、とくにヨットに興味もなかったがヨットの世界を垣間見る海洋小説としても楽しく読めた。
内田を殺した容疑者のほうは作品中盤で一人に絞り込まれるのだが、彼には殺人があった時間に東京ータヒチ間のヨットレースに参加しているという鉄壁のアリバイがある。十津川警部補もさんざん悩まされるが、なんとかアリバイトリックを見破る。
ところが、十津川警部補がたどりついたアリバイトリックが犯人が仕掛けた見せかけのトリックであり、犯人がさらにその上を行くトリックを用意していたり、殺された内田は内田である企みをしていたりと、最後の最後まで楽しめる。
作中、松本清張の「火と汐」という作品がある役割を担って登場する(必然的に「火と汐」のネタバレをしてしまっている)。先行作品を示した上で、このトリックはその上を行くものだという作者の自信のほどがうかがえる。

これは、これまで読んだ西村京太郎作品の中でも一、二を争うおもしろさ。今までこんな名作を読んでいなかったとは不覚。

ところで、この作品が書かれたのが1973年。堀江謙一が単独無寄港世界一周を試みて失敗したのがこの前年の1972年(作中ではK・Hとしてこのことに触れている)。堀江謙一が再度、単独無寄港世界一周にチャレンジし成功したのが本書が書かれた翌年の1974年のことだ。
作中で単独無寄港世界一周に成功したとされる内田は実はひそかに港に立ち寄っていたことが後に暴露されるが、堀江謙一の単独無寄港世界一周にも疑惑があるようですね。
    
「バトルシップ」
映画「バトルシップ」をテレビで鑑賞。
エイリアンが宇宙から地球に攻めてくるというありがちな話が、この手の作品では抜群におもしろかった。
余計な描写はなく、エイリアンが地球にやってくるに至った理由、主役キャラの背景を描いたと思ったらすぐに戦いに突入。それも全面戦争でなく、エイリアンの偵察隊とハワイで演習中だった米艦2隻、日本艦1隻による局地戦。
珍しいことに、日本がかなり重要な役割で登場。日本の自衛艦はエイリアンの攻撃により沈没するが、そこから救助された艦長ナガタ(浅野忠信)が重要な作戦を提案し、米艦指揮の任務を任せられる。

ちなみにこの映画の原作はボードゲームの「バトルシップ」。日本では「レーダー作戦ゲーム」という名で同様のゲームが売られていた。ボードゲームを映画にしてしまうという発想自体すごいが、映画の中でもちゃんと元のボードゲームのテイストを生かしているところはさすが。

最後の1隻となった米艦も沈没してしまい、生き残ったメンバーは海上に記念艦として保存されていた戦艦ミズーリを使うことを思いつく。こんな化石のような戦艦、誰も動かせない……と思いきや、退役軍人の面々が集結し、俺達に任せろとばかりに船を動かし始める。この辺は燃えてくる!

というわけでツッコミどころもありながらこの手の映画では珍しいほどスカッと楽しめる映画だった。が、アメリカではまったくヒットせず(Wikipediaによると、「2億ドル以上の高額を費やしたのに対し、アメリカでの興行収入はわずか6500万ドル」)、批評も酷評だらけとか。日本では好成績を挙げたようだが。

    
「断崖」、フランシス・アイルズ「レディに捧げる殺人物語」
A・ヒッチコック監督の「断崖」をDVDで鑑賞。直後に映画の原作小説 フランシス・アイルズ「レディに捧げる殺人物語」の読む。
大筋は同じストーリーだったが、観終わったあと、読み終わったあとの印象は随分違う。
映画のほうは主人公のリナと結婚したダメ男・ジョニーが、妻のものを勝手に売っぱらったり、せっかく勤めた会社で金を使い込んで首になったりしたあげく、ついに殺人にまで手を染めた……かと思いきや、希望のあるエンディングになっていたのに対し、原作小説のほうは、このジョニーが映画に輪をかけたダメ人間。犯罪に対してちっとも罪悪感がない。ジョニーと結婚したリナも別れるチャンスは再三あったのに別れないまま10年たって、自分の父の死に関して驚愕の事実を知ることになる。
映画と同様のサプライズがあるかと思いきや、最後の最後まで希望のないエンディグ。まぁこのほうが納得はいくが。

 
    
フランシス・アイルズ「殺意」
アントニイ・バークリーの別名義 フランシス・アイルズの「殺意」を読了。
さすが「倒叙推理小説の三大名作の一つ」といわれているだけあり、読み応えも抜群。主人公である田舎に住む医者ビグリー氏の心理描写が実に巧み。妻を殺すに至る過程がよ~くわかる。
「倒叙」というからには冒頭ですぐ犯罪が起きて、それを探偵なり刑事なりが解決していくのかと思いきや、読み進んでもなかなか犯罪が起きない。ビグリー氏が妻を殺すに至るのは作品も半分近く進んでから。そこまでたっぶり、ビグリー氏がなぜ妻を殺すに至ったかという心理描写に費やされている。
しかしその後、さらに2人殺そうとするところは計画もかなり安易。そりゃ露見もするわ。その後舞台が法廷に移ってから、ビグリー氏の犯罪をめぐる検察と弁護士の応酬シーンも読みどころ。そして迎える意外な結末。
この作品が書かれたのは1931年だが、全然古さを感じさせない。巧みな心理描写とか巧みなプロットとかは古びないものだ。

    
「ガンマー第3号 宇宙大作戦」
「ガンマー第3号 宇宙大作戦」をテレビで鑑賞。
正直、ほとんど期待せずに観たのだがこれが意外なひろいもの。
地球に向かってくる遊星。ロケットでその星に着陸、爆薬をセットして首尾よく爆破させたのだが、その星に棲んでいた宇宙生物の細胞が乗組員の宇宙服に付着していて宇宙ステーション・ガンマー第3号の中で成長し不気味な一つ目の怪獣となって乗組員を次々と襲う。この生物がエネルギーを吸収してどんどん増殖。宇宙ステーションはパニックに……。
とテンポよく進んでいくストーリー。遊星爆破の指揮をとったランキン中佐と宇宙ステーションの指揮官エリオット少佐の対立なども描かれ、かなりサスペンスフル。
しかしこのストーリー展開、どこかで観たような気が……と思ったら、「エイリアン」そっくりだった。この作品の公開は1968年なので、もちろん「エイリアン」よりずっと前。
ちょっとネットで調べたところ、一説には「エイリアン」の元ネタともいわれているようだ。
東映とラム・フィルムによる日米合作映画。監督は深作欣二、田口勝彦。キャストはオール外国人という異色の作品。

    
「テルマエ・ロマエ」
映画「テルマエ・ロマエ」をテレビで鑑賞。
意外なほどおもしろかったぁ。なんといっても阿部寛が古代ローマ人の役なのに違和感なく観れるのがすごい。
古代ローマの建築技師が現代の日本にタイムスリップしてきてカルチャーショックを感じるシーンなどは絶妙。
後半、現代の日本人が古代ローマにタイムスリップしてしまってからは、もっとシナリオを練れたのではと思うが、全体としては十分楽しめた。

    
「刑事コロンボ 指輪の爪あと」
「刑事コロンボ 指輪の爪あと」をテレビで鑑賞。あれ、これも初めて観る。意外と観逃していたエピソードがあるな。
「刑事コロンボ」ではたいていは周到に計画された殺人が実行され、それをコロンボがいかに見破るかが主眼となるが、今回は犯人がついかっとなって女性を殴ったら女性が死んでしまい、そのあとの偽装工作をコロンボが見破るというもの。
こんなすぐかっとなる性格で、よく大きな探偵事務所を経営できているもんだ。
コロンボも犯人の目星は早い段階からつけているのだが、彼が犯人だという決め手を得るために、罠を仕掛ける。それに二重に。さすがにこの証拠の捏造はどうなの?と思うが、シナリオはよく練られており、無駄なシーンがまったくない。先週観た「自縛の紐」とはえらい違いだ。

    
映画「アナザー Another」
映画「アナザー Another」をブルーレイで鑑賞。
これはひどい。もともと綾辻行人の原作小説自体、映像向きとはいえないが、それにしてももう少しやりようがあるだろうに。ミステリーとしてもサスペンスとしてもホラーとしても中途半端。
要するに脚本がなってないということだろう。唯一、見崎鳴役の橋本愛がよかったのが救い。

    
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